キリストの昇天祭はベルギーの祝日。でもなぜお休みなの?その理由、ご存知でしょうか?
新約聖書を紐解くと、「使徒言行録」の冒頭、第1章に、復活したイエス・キリストが、使徒たちと40日間を共にした後、彼らの目の前で昇天する姿が描かれています。
(上の絵は「ベリー公のいとも美しき時祷書」部分拡大)
イエスのお誕生日であるクリスマスは、もちろん、皆さんもご存じの通り、世界中で知らない人を見つけることが難しいほど有名な日です。
そのイエスが天国に帰っていったと考えられる日も、キリスト教国の人々にとっては同じくらい重要な日なんですね。
フランス、ドイツ、オランダといった、他の多くの欧州のキリスト教国と同じく、ベルギーでも祝日となっています。
キリスト昇天祭にあたる日は、いわゆる「移動祝祭日」です。復活祭(イースター)の日から40日目と定められています。そのため毎年、日は変わりますが、日曜日から数えるため、木曜日であることには変わりありません。
橋をかけて連休扱いに
ベルギーでは、木曜日が休みの場合、 ポンをかけるといい、金曜日も休んで、木金土日と4連休にする人たちが多いのです。(PONT=仏語で「橋」の意味)
それがわかっている会社側は、最初から福利厚生の一環として社員にポンを休日として付与するところもあるようです。
日本では、5月の初めがゴールデンウィークですが、ベルギーだと、このキリスト昇天祭がちょっとした連休のチャンスですね。
イタリアの画家ジョット・ディ・ボンドーネ(1267年頃-1337年)による「キリスト昇天」
地上には聖母マリアと使徒11人が描かれている。(裏切り者のユダはいない)