青い鳥3月号
ベルギーは多種多様なビールが生み出されるビール王国。
度数の高い強烈な個性派から、甘酸っぱい爽やかな人気者まで、ありとあらゆるスタイルが楽しめます。
ランビックと呼ばれるビールは、味としては酸っぱさが特徴で、果実と混ぜることでホップの苦みが苦手な女性にも飲みやすく変身します。代表的なサクランボ味はクリーク(Kriek)です。これから桜のお花見のシーズンにもピッタリですね。
今回、ご紹介のお店レ・ブラッサールは、その酸っぱい状態のランビックと、ビール通も唸る実力派を数々揃えた名店です。ただ名店といっても敷居が高い感じではなく、普段着でふらりと入って友達とおしゃべりを楽しめる地域密着店なのが嬉しい。
この場所が居心地がいいからと人が人をひきつけて、ゆるいコミュニティーがあちらこちらに発生するのが人間社会。そう、この丘にはこの花が咲き、山を越えるとまた別の花が咲くように、気の合う仲間と一緒に鍋を囲んでみたり、カラオケ大会をしてみたり。実に愉快です。
面白いもので、ランビックは野生の酵母を招き入れて発酵させるという、過激なまでに原始的な製造法が用いられています。その酵母はブリュッセルとその西の田園地帯パヨッテンラントにしか生息しません。
ビールの酵母は一般的に直径が0.005ミリから0.01ミリ程のサイズです。目に見えない酵母が、その土地の味となって人々に潤いを与えてくれるなんてロマンのある話だなと、ランビックを飲みながら感動で涙が出そう。その酸味が舌をやさしく刺激するたびに、見学で訪れた醸造所の冷却プールや薄暗い地下で静かに熟成していく木樽の列を思い出すのです。
ご想像に難くないように、野生酵母の生態系は超デリケート。醸造所の建物はもちろん、周囲の自然環境に急激な変化を与えてはいけません。特別な味を生み出す妖精たちが逃げてしまうから。
人間社会も同じですよね。改革や競争もときに必要ですが、調和や協力こそが、我々を守り育ててくれるのです。
誌面のオンライン版
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月刊ベルギー青い鳥 配布場所:
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【アントワープ】
Het Natuurhuis、港、Les Saveurs de Yamada
【ゲント】
ずるずるラーメン
【ブリュージュ】
レストランたぬき
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