- 1. エグモント伯 Comte d'Egmon
- (歴史)
- ... 史実上のエグモント伯は、旧教側の支配者であるスペインと、新教側の地元の民衆らとの間で苦労したようである。彼自身はカトリック教徒であり、あくまでも属州に対する高い税など支配政策に反対という立場だったからだ。 しかし、強権的なアルバ公爵が派遣されると、エグモント伯は同志のオルヌ伯(フィリップ・ド・モンモランシー)とともに逮捕され、処刑の命令がくだされる。 エグモント伯は1568年6月5日に、45歳の若さでブリュッセルのグランプラスで斬首刑に処せられた。 ...
- 作成日 2018年01月07日
- 2. ピーテル・ブリューゲル《怠け者の天国》
- (絵画)
- ... この絵が描かれた年、スペイン王の命を受けたアルバ公が6万の大軍を率いてプロテスタント教徒を制圧すべくネーデルラントに侵攻した。当地の総督となったアルバ公は、血の審判所を設けてプロテスタント教徒を多数処刑することになる。宗派間の対立を理由に同じキリスト教徒が憎しみ合い、殺し合い、その禍根が今も国境となって残っている。 暗い時代に救いを求めた人々は、せめて夢の中だけでも「食うに困らない天国」を想ったことだろう。画面の右上、なにやら山から這い出してきている人物がいるのに注目して欲しい。彼はスプーンを片手に持っている。これは蕎麦のお粥の山を食べてくぐり抜けたものは「怠け者の天国」にたどり着ける、という言い伝えを絵画化したものだ。彼は成功し、これから美味しい肉と酒を腹一杯食べ、泥のように眠ることが許された。さあ、暗い話はなしだ。心ゆくまで怠けるがよい。 ...
- 作成日 2016年07月18日