- 1. ルーマニア紀行
- (旅行記)
- ... 「水は少ししかないので、分けてあげることはできない」と告げると、がっかりした顔になった。気の毒だが、こちらも熱中症になりかけの身で、地元の人を救うほど余裕はない。午後一番暑い時間帯。8月のルーマニアは連日30度越えで、鉄でできた電車はフライパンのように熱を帯びていた。 ネルシャツ男は他の乗客たちにも水をせがんでいた。その様子から判断するに、どうも農民ではなくホームレスの乞食のようである。 何度も断られたのちに、ロマ族の若い女性にお願いをしはじめた。彼女は大きなプラスチックボトルに半分ほど水を持っていた。異国の言葉で意味は分からないが、周囲の人間も巻き込んでの交渉が続く。ネルシャツ男の熱心な要望が通じたようで、どうやらロマ族はこの男を救済すべしという結論に達したようである。女性は大きなボトルから2度、3度と最後のラッパ飲みをしたあと、少々恨めしそうな目で男をにらみながら水を手渡した。ネルシャツ男は、感謝してそれを受け取った。 ...
- 作成日 2018年09月13日
- 2. 暖房のない冬の日
- (コラム)
- ... これまでセントラルヒーティングは暖かいし、建物全体を暖めてくれるから素晴らしいと思っていたが、動かないとなると大変だ。家の中にいるのに、まるでホームレスにでもなってしまった気分だ。暖房だけでなく、お湯も出ない。お風呂に入ることもできない。この極寒の日に、暖房がないのは堪える。 しかし、そう忘れてはいけない、ここはベルギーである。日曜日は不動産屋さんや、建物の管理会社に連絡したところで電話はつながらない。もちろんダメもとでトライはしたけれど、やっぱり誰も出ない。ミチルの契約している不動産屋さんは月曜も休みだから、これは火曜にならないと直らないかもしれない。暖房がないだけで、こんなに哀しいなんて。 ...
- 作成日 2016年03月09日
- 3. 靴箱に詰めた思いやり。貧しい人にクリスマス・プレゼントを贈ろう!
- (イベント)
- 皆さんは、Shoe-Box campaign という言葉を聞いたことがありますか? 靴を買った時の靴箱に、食べ物や飲み物を詰めて、生きていくのに最低限必要な食料を買うこともままならないホームレスや貧しい人々のために、せめてクリスマスや新年のこの時期だけでもプレゼントを贈るキャンペーン・プロジェクトです。 今年は、Covid19の影響で、これまで以上にこの活動の重要性が高まっています。 いくつかの団体で実施していますが、今回はその中の一つ、1999年から活動しているブリュッセルのサマリタリアンという団体に寄付を行う場合についてご案内します。 ...
- 作成日 2020年12月07日