【ミチルのひとりごと】フランス人とベルギーのビーチに行く La Panne / De Panne

5月の最終週、ベルギーに夏がやってきた。今年は寒い冬から突然、春を飛び越えて夏が来た感じだった。30度近い暑さになるなんて滅多にないことだから、みんな考えることは同じ。ビーチに行こう! フランス人の女友達が、北海沿岸の町 La Panne がいいというので目的地もすぐに決定!

ブリュッセルから北海に行くなら、早朝に出発したほうがいいことは百も承知だったけれど、彼女も私も夜型人間のため、早くても10時発。実際にはそれも遅れて10時半頃になった。

ようやく海をめがけて、車を発車したのはいいけれど、道が混んでいること甚だしい。カーナビの推奨する迂回路を何度通っても、結局は長い先の見えない大渋滞につかまる。

うまくいけば、12時頃に着いて、ランチをして、海辺を散歩して、ショッピング・・・なんていう予定は吹き飛び、ようやくLa Panne の看板が見えて来たのが、午後2時半

やっと着いたね、と言いたかったのだが、今度は駐車場が全く見つからず、何度も何度も同じ場所をぐるぐると回っているうちに、これまでの楽しい気分も怪しい雰囲気になって来た。

というのも、久しぶりに会って、女同士、車の中でいろいろとお喋りしながらのドライブだから、最初は渋滞もあまり気にならなかったのだが、さすがにここまでくると、二人ともお腹は空いてくるし、前に進まないストレスで、車内の空気がちょっと険悪になってしまったのだ。

駐車場が見つからないのは、誰のせいでもないと分かってはいても、二人ともイライラしてくる。目の前にビーチがあるのに、なぜ行けない?

海辺近くに駐車することを諦めて、かなり離れた場所に駐車したのが午後3時半

軽い朝食しかとっていなかった私は、お腹がペコペコで、もうなんでもいいから、その辺りにあるレストランに入りたい。しかし、さすがフランス人は、食事に関してこだわりが人一倍強い。

「私、海の近くに来たからには、シーフードの美味しいお店に入りたいの」と彼女。

「え? それ、どこにあるの?調べて来たの?」

「調べてはないけど、すべてのレストランを覗いてみたら、なんとなく分かるでしょう? そこから選ぶのよ」。

「えー!」(マジで?これから?)

ずっと5時間も運転してきたの私だし、勘弁して欲しいと思ったが、もうここまでくると、もうどうにでもお好きにしてくださいなという感じである。

悲しいことに、海辺にあるレストランはどれも肉料理がメイン。彼女のお眼鏡に叶う店がなかなか見つからない。すべてのレストランのメニューを吟味した結果、最初から2件目くらいの店のメニューにあった、オステンドのシーフード盛り合わせが一番マシだと彼女は判断したらしい。そこでいいかと聞かれる。もちろんいいよと即答。「ランチ」にありつけたのは、午後4時半も過ぎた頃だった。

ランチの後、滅多にお目にかかれない海と美しい青空を満喫しながら散歩して、日が長いおかげもあり、少しショッピング街に行く時間もあり、なかなか興味深い日帰り旅行を楽しむことができた。

ところで、ベルギーにいながら、私の親しい友人はフランス人が多い。

フランス人男性の友人がベルギー人の彼女を連れているのを見て、私が、「どうしてフランス人じゃないの?」と聞いたら、「フランス人女性はすごくワガママ。もう疲れちゃうんだよね。それに比べると、ベルギー人の女性は慎ましいんだ。フランス人の女の子なんて、こりごりだよ。僕の手には負えない」と真剣に語っていたことを思い出した。

確かに、彼女たちは、自己主張がはっきりしていて、譲らない。私の友達にフランス人の多い理由は、やっぱり「類は友を呼ぶ」ってことなのかな。はい、ミチルもフランス人に負けず劣らず、ワガママでございます。

帰り道、フランス人の友人が「これだけの渋滞だったってことは、とてもたくさんのベルギー人がここに来ているってことだから、私たちもいっぱしのベルギー人よね?」とおっしゃる。

いや、それはどうだろう? 貴方は立派なフランス人ですよ!

5.jun.2017

【必読】人気トップ3のコラム

新着のコラム

おすすめ新着記事