【ミチルの事件簿】路上アルコール検査

普段はこんなに遅くなる事は無いのだが、なかなか仕事が終わらず、22時半頃にいつもの通勤の帰り道、General Jacque 通りを通るはめに。青いランプの光が見えたので、警察が先にいるという事は少し前から分かっていたのだが、これまで5年以上ベルギーにいて、警察から止められた事など一度も無かったので、たかをくくっていた。私の車内はラジオからの音楽が鳴り響き、その音に合わせて身体を揺すっている私は、きっと怪しげに見えたに違いない。

前の車は、通してもらえたのにも関わらず、私の前で、警官は左に寄ってくれという合図を始めた。

アジア人だから?アジア人の犯罪者でも探しているのかな? と思って、警官の指示通り、車を左に寄せると、日本でもあまり見かけないようなものすごく真面目そうな若い男性警官が、信じられないくらい丁寧な口調で、マダム、と話しかけてきた。

 

マダム、お急ぎの中、大変恐れ入りますが、本日は運転免許証とその他車を運転するために必要な書類をお持ちでしょうか?」フランス語ではあるが、通訳したら、きっとこんな感じになったと思う。

 

私はとてもラッキーだった。ほんの数日前まで、海外出張に行く前に、必要ないベルギーの運転免許証は財布から抜いていた事を忘れて、運転してしまっていたのだが、自分の過ちに気づいて、財布に戻したところだったのだ。

だから、自信を持って運転免許証と車検証など、すべての書類を揃えて彼に渡す事が出来た。

すると、そのいかにも真面目そうな警官は、いかにも申し訳なさそうに、「有り難うございます。ただ、書類を確かめる間、ここで止められてしまったからには、アルコールテストも行わなければいけない決まりになっています。今日は、アルコールをお口にしましたか?」(一杯までなら、ベルギーでは運転しても良い決まり)

「そうね、ちょっとチョコレートを齧ってしまったけれど、アルコールは大丈夫。飲んでいませんよ」

チョコレートなら問題ありません。貴女の言う事を決して私が信じていないという訳ではありませんが、確認のためアルコールテストをさせていただきます。宜しいでしょうか?

もちろん、だいたい下戸の私が、アルコールなど飲む訳がないのだし、それより、警官に言われて断れるものでもないだろう。

 

このテストは、以前経験ありますか?

「実は、私5年以上ベルギーに住んでいるけれど、警察官に止められて、このテストを受けるのは初めてなの。だからこれまでやったことはないわ」

そうですか。では説明します。簡単ですから大丈夫ですよ

そして彼は、手にしている小さなデバイスを見せて、しっかり息をまず吸って、そして笛のようなものを銜えて、ストップというまで息を吐き出してくれと指示をした。Sという数字が出れば、大丈夫だと言う。

 

何も悪い事をしていないのに、なぜかこういう瞬間は緊張してしまうものだ。ベルギーだから、この機械が壊れていて、Sが出ないのではないかとか、変な事を考えてしまう。

しかし、無事Sが表示され、「お疲れさまでございました。マダムは本当に協力的で、小生は大変助かりました。どうぞお気をつけて、お帰りください

と先ほどの真面目な警官にお褒めの言葉をいただき、終了。

 

先ほどの警官曰く、

12月に入って、みんな結構アルコールを飲んで運転していますから、強化月間で、最近コントロールがよく入っているんですよ

という話なので、車を運転する皆さん、飲酒運転で捕まらないように、気をつけて下さいね。