紀元前のベルギーとユリウス・カエサル

ベルギーが最初に歴史に登場するのは、ローマの英雄ユリウス・カエサルの記した『ガリア戦記』です。

 

「ベルガエ人」というのが、現代のベルギー人の祖先。

名前が出てくるだけでなく、ガリア全土でもっとも強いとされているのがおもしろい。

ちなみに、当時のガリアとは主にフランス、ベルギー、スイス、オランダ、ドイツの西側の一部のことです。

現代ギリシア語では、フランスのことをガリア(Γαλλία)と呼んでいます。

 

 

ガリアは全部で三つにわかれ、その一にはベルガエ人、二にはアクィターニー人、三にはその仲間でケルタエ人、ローマでガリー人と呼んでいるものが住む。

どれも互いに言葉と制度と法律がちがう。

ガリー人はガルンナ河でアクィターニー人から、マトロナ河とセークァナ河でベルガエ人からわかれる。

なかで最も強いのはベルガエ人であるが、その人々はプローウィンキアの文化教養から遠くはなれているし、商人もめったにゆききしないから心を軟弱にするものが入らないのと、レーヌス河のむこうのゲルマーニー人に近いのでそれと絶えず戦っているためである。

同じ理由でヘルウェティー族も他のガリー人にくらべれば武勇がすぐれ、毎日のようにゲルマーニー人と争い、自分の領地で敵を防いだり、敵の領地に入って戦ったりしている。


『ガリア戦記』第一巻 ユリウス・カエサル(紀元前58年)